臨床推論の考え方 ・ 2026-08-10 更新
「記録にない」は「陰性」ではない — 新人PTと先輩の対話で見る「未評価」の扱い方
「まだ確認していないこと」と「確認して問題がなかったこと」を分けて記録する重要性を、架空症例と新人PT・先輩PTの対話で整理しました。
症例を見返したときに、こんな経験はありませんか。
- どの評価を実施したか、自分でも思い出せない
- 記録に書かれていない所見を「問題なし」と考えてしまう
- 前回の担当者が何を確認したのか分からない
- 症状が改善しないとき、どの仮説を見直せばよいか迷う
臨床では、限られた時間ですべての評価を実施できるとは限りません。だからこそ大切なのが、「確認した結果、所見がなかった」のか「まだ確認していない」のかを分けて記録することです。この記事では、新人PT・水野あかりと先輩PT・佐伯直人の対話を通じて、「未評価」と「陰性」の違いと、その先にある臨床推論への影響を整理します。
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
なぜ混同が起きるのか
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
架空症例で見る、記録の書き方
架空の症例で考えてみます(実在のケースではありません)。30代・男性。1週間前から右膝が痛み、階段を降りるときに特に痛みが強い。
| 評価項目 | 実際に行ったこと | 良くない記録の例 | 正しい記録の例 |
|---|---|---|---|
| 半月板テスト(McMurray等) | 実施していない | 陰性 | 未評価 |
| 膝蓋大腿関節の圧痛 | 確認して圧痛なし | 陰性 | 陰性 |
| 階段降段時の疼痛 | 問診で確認 | 特記事項なし | あり(問診で確認) |
| 膝関節の腫脹 | 確認していない | 問題なし | 未評価 |
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
曖昧な記録が臨床推論をどう崩すか
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
先輩PT・佐伯直人
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
クリニカルシンカーではどう整理するか
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
評価仮説を更新するときに起きる問題
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
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先輩PT・佐伯直人
分けて記録するための工夫
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
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先輩PT・佐伯直人
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先輩PT・佐伯直人
新人PT・水野あかり
先輩PT・佐伯直人
まとめ
「未評価」と「陰性」を分けて記録することは、些細な違いに見えて、症例を振り返るときの精度を大きく左右します。特に、同じ症例を複数回にわたって担当する場合や、担当者間で引き継ぐ場合には、この区別が仮説の更新を正しく進めるための土台になります。
よくある質問
Q. 「未評価」と「陰性」を分けて記録する一番のメリットは何ですか?
A. 症例が長引いて評価仮説を見直す際に、どの項目がすでに検討済みで、どの項目がまだ確認できていないのかを正確に把握できることです。これにより、見直しの範囲が不必要に狭くなることや、逆に確認済みの項目を無駄に再確認することを防げます。
Q. 陰性であれば、その仮説は完全に除外してよいですか?
A. いいえ。陰性はあくまで可能性を下げる材料の1つで、評価の精度や症状の経過によって解釈が変わることがあります。単独の陰性結果だけで完全に除外できるとは限らない点に注意が必要です。
参考
- 臨床推論における認知バイアス「早期閉鎖」という考え方(特定の論文の引用ではなく、Croskerryらの臨床推論研究で広く知られる一般的な概念を参考にした整理です)
このような症例の整理には、理学療法士・作業療法士向けに設計された臨床推論支援AI「クリニカルシンカー」も選択肢になります。 問診・仮説・評価方針・鑑別・リスク整理を、症例ごとに段階的に確認できます。
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