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臨床推論の考え方 ・ 2026-10-10 更新

レッドフラッグが出たとき、流れはどう変わるか — 腰痛の架空症例で追う「①で止まる」判断

新人PTと先輩PTの対話形式で、腰痛の架空症例で安全確認の段階で気になる所見が出たとき、局所の評価に進まず何を確認し、どう記録して医師や他職種に伝えるかを順に整理します。

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クリニカルシンカーは、セラピストの教育を続けてきた団体が運営しています

350以上の施設のセラピストが、クリニカルシンカーで臨床推論を使っています

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評価の最初の段階で、こんな場面に出会うことがあります。

  • 問診で気になる所見が出たが、どこまで評価を進めていいか分からない
  • 「大丈夫かもしれない」と思って、そのまま局所の評価に入ってしまう
  • 医師や他職種に、どう伝えればよいか分からない
  • 気になったことを、あとで説明できない

この記事では、腰痛の架空症例で、安全確認の段階で気になる所見が出たとき、臨床推論の流れがどう変わるかを、新人PT・水野あかりと先輩PT・佐伯直人の対話で追います。ここでは病気を当てることは目的にしません。「確認が必要な状態に気づき、適切につなぐ」ことを扱います。

架空症例 — 66歳、腰の痛みが楽にならない

架空の症例で考えます(実在のケースではありません)。

66歳。2か月前から腰が痛む。動いても休んでも変わらず、夜も痛みで目が覚める。この3か月で体重が減ったと話す。以前、別の病気で通院していた既往がある。疲れやすさも訴える。

新人PT・水野あかり

先輩、腰痛の方なので、可動域と筋力から評価しようと思います。

先輩PT・佐伯直人

待って。そこに入る前に、今の話の中に、気になるところはなかった?

ステップ① 安全確認で、流れが変わる

新人PT・水野あかり

夜も痛みで目が覚める、体重が減った、疲れやすい、あと以前に別の病気で通院していた既往がある…。

先輩PT・佐伯直人

そう。1つ1つは、それだけで何かを決めるものじゃない。でも、組み合わさって出ている。
代表的なレッドフラッグ夜間も軽減しない痛み原因不明の体重減少がんの既往進行する脱力・しびれ
代表的なレッドフラッグの例

新人PT・水野あかり

これだと、局所の評価を進めていいのか、迷います。

先輩PT・佐伯直人

その迷いが正しい。この場面では、流れが変わる。通常は①で安全確認をして、問題なければ②〜⑤を回す。でも、気になる所見が組み合わさって出ているときは、②以降を回す前に、速やかに医師への相談・受診の必要性を検討する。

CLINICAL THINKER

この記事のような整理を、クリニカルシンカーなら自分の症例でできます

クリニカルシンカーは、理学療法士・作業療法士のための臨床推論支援AIです。 症状や所見を入れていくと、鑑別の候補と「次に確認すると鑑別が進む評価」が並びます。 答えを出すAIではなく、評価の優先順位を整理するためのAIです。実際の画面はこちらです。

クリニカルシンカーの鑑別候補の画面。支持された所見とまだ足りない所見が候補ごとに並ぶ
鑑別候補ごとに「支持された所見」と「まだ足りない所見」を表示
クリニカルシンカーの次に確認する評価の画面。他動外旋ROMや夜間痛などを選ぶと候補が更新される
次に確認すると鑑別が進む評価を提示。結果を選ぶと候補が更新される

※ 画面はアプリの実際の出力の一部で、肩の架空症例のデモです(現在、この機能は肩の症例に対応しています)。 表示される鑑別候補は未監修の試作データによるもので、診断や治療方針の決定を代替するものではありません。

流れが「止まる」とはどういうことか

臨床推論の流れ(6つのステップ)① 安全確認レッドフラッグを先に確認する② 候補を広げる病名を1つに決めず、複数の候補を並べる③ 支持と不足を並べる候補ごとに「支持する所見」「足りない所見」を分ける④ 次に確認する評価を選ぶ候補を分けられる所見から確認する⑤ 結果で候補を更新する③に戻る。この往復で絞り込む⑥ 見立てと介入の方向性根拠・リスク・未確認の点をそろえて整理する
臨床推論の流れ(今回追うステップ)

先輩PT・佐伯直人

「止まる」は、何もしないという意味じゃない。局所の評価や介入を進める前に、確認と連携を優先するということ。

新人PT・水野あかり

具体的には、何をするんですか?
やること内容
気になる所見を整理するどの所見が、いつからあるか。組み合わせとして気になる点は何か
確認できていない項目を明らかにする聞けていない項目、評価できていない項目を分けて書く
痛みの性質を確認する動作との関係、安静時の変化、夜間の様子を具体的に聞く
医師や所属先に相談する所属施設のルールに従い、相談や受診の必要性を伝える
記録を残す判断の経緯と、伝えた内容を記録する

「大丈夫そう」を信用しすぎない

先輩PT・佐伯直人

もう1つ。ここで怖いのは、「大丈夫かもしれない」と考えてしまうことだ。

新人PT・水野あかり

確かに、年齢のせいかな、と思いたくなります。

先輩PT・佐伯直人

そう。でも、それは確認した結果じゃなく、願望かもしれない。確認していない項目は「未確認」。「問題なし」と書かない。
陰性と未確認の違い陰性確認したが所見なし→ 可能性を下げる材料になる未確認まだ確認していない→ 判断材料にせず保留する
「陰性」と「未確認」の違い

伝えるときは、「確認したこと」と「未確認」を分ける

先輩PT・佐伯直人

医師や他職種に伝えるときは、この4つを分けると伝わりやすい。
伝える内容例(架空症例)
確認できた所見動作や安静でも変わらない腰痛が2か月続く。夜間痛あり。この3か月で体重が減少
確認できていない所見発熱の有無、下肢の神経症状、他の部位の痛み
経過2か月前から徐々に。以前の通院歴あり
気になった理由持続する痛み・夜間痛・体重減少が組み合わさっている

新人PT・水野あかり

「病名」を言うんじゃなくて、「何を確認して、何が未確認か」を伝えるんですね。

先輩PT・佐伯直人

そう。私たちは診断を下す立場じゃない。判断に必要な情報を、整理して渡す。それが役割だ。

気になる所見がなかったときも、同じ流れを使う

新人PT・水野あかり

レッドフラッグが出なかったときは、いつもの流れでいいんですよね。

先輩PT・佐伯直人

そう。①で「確認した」と記録して、②以降を回す。①は、毎回やる。出なかったときの方が多いけど、毎回やるから、出たときに気づける。

クリニカルシンカーではどう整理するか

新人PT・水野あかり

先輩、この流れを一人で回すのは大変そうです。

先輩PT・佐伯直人

そうだね。だから、臨床推論支援AIのクリニカルシンカー(Clinical Thinker)のように、候補と所見の整理を画面で見える形にする方法もある。評価を入れるごとに候補が更新され、候補ごとに「支持している所見」と「足りない所見」が並ぶ。

新人PT・水野あかり

この症例でも使えるんですか?

先輩PT・佐伯直人

ただ、「次に確認すべき評価の提案」は、現在は肩の症例が対象だよ。今回のような症例では、まずこの記事の流れを自分で回してみるのが練習になる。

先輩PT・佐伯直人

答えをもらうためじゃなく、自分の考えの抜けに気づくために使う。診断を代替するものではないし、最終判断はセラピスト自身がするものだよ。
クリニカルシンカーは、理学療法士・作業療法士のための臨床推論支援AIです。診断を代替するのではなく、問診・仮説・評価方針・鑑別・リスク整理を支援し、臨床での思考過程を見える化します。

まとめ

  • 評価の最初に、毎回レッドフラッグの確認を行う
  • 気になる所見が組み合わさって出ているときは、②以降を回す前に、医師への相談の必要性を検討する
  • 「止まる」は何もしないではなく、確認・記録・連携を優先すること
  • 確認していない項目は「未確認」とし、「問題なし」と書かない
  • 伝えるときは、確認できた所見・未確認・経過・気になった理由を分ける

なお、この記事の症例は架空のもので、考え方の流れを示す例です。個別のケースでは、担当セラピスト・医師の判断で評価を進めてください。クリニカルシンカーの「次に確認すべき評価の提案」「レッドフラッグの確認」は、現在、肩の症例に対応しています。

よくある質問

Q. レッドフラッグが1つあれば、重大な病気ということですか?

A. そうとは限りません。1つの所見だけで判断せず、他の所見との組み合わせや経過を見て、医師への相談の必要性を考えます。「危険を断定する」のではなく、「確認が必要な状態」と捉えます。

Q. レッドフラッグが出たら、評価や介入はしてはいけませんか?

A. 一律に禁止ということではありません。ただし、局所の評価や介入を進める前に、医師への相談の必要性を検討することが優先されます。所属施設のルールに従ってください。

Q. 医師に伝えるとき、何を整理しておくとよいですか?

A. 確認できた所見、確認していない所見、経過、気になった理由を分けて伝えると、受け手が判断しやすくなります。

参考

  • Clinical Reasoning in Musculoskeletal Practice (Jones MA, Rivett DA)(運動器理学療法における臨床推論の考え方を扱う成書)
  • Clinical Reasoning in the Health Professions (Higgs J, Jensen GM ほか)(医療専門職の臨床推論全般を扱う成書)

CLINICAL THINKER

クリニカルシンカーとは

この記事のような「何から評価し、何を疑うか」の整理を、あなた自身の症例で行えるようにしたのが、 理学療法士・作業療法士のための臨床推論AI「クリニカルシンカー(Clinical Thinker)」です。

一流セラピストの臨床推論・思考プロセスをアルゴリズム化し、あなたの症例の「鑑別・評価の優先順位・介入の方向性」を整理します。妥当な答えしか返さない一般的なAIではなく、実際の臨床に近い答えを出すことをめざしています。 診断をするAIではありません。

350以上の施設のセラピストが、すでにクリニカルシンカーで臨床推論を使っています。

一般的なAIとの違い

土台になる知識

一般的なAI:インターネット上の幅広い一般知識

クリニカルシンカー:3,000回超のセミナーと、200名超の一流講師の知見を体系化

答えの傾向

一般的なAI:無難で、一般論にまとまりやすい

クリニカルシンカー:実際の臨床に近い、踏み込んだ推論をめざす

次に確認すること

一般的なAI:聞かれたことに答える

クリニカルシンカー:次に確認すると鑑別が進む評価を、理由つきで提案

※ 一般的な傾向をまとめたもので、特定の製品を評価するものではありません。

運営:一般社団法人セラピストフォーライフ

研修事業15年以上、セミナー3,000回以上、一流講師200名以上、延べ15万人。 15年かけて積み上げた知見が、クリニカルシンカーの土台です。

  • 赤羽根良和先生赤羽根良和先生
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講師陣の一部です。

実際に使った方の声

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大腿骨転子部骨折後の疼痛が残る症例の疼痛の原因や裏付ける理由が整理され、自分の評価に自信を持てるようになった

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手詰まりになったときに新しい視点が得られた

考え方の幅が広がった

膝術後の患者のリハビリで優先順位のつけ方、理論的な可能性の高い病態など、自分で抜けていた視点、苦手な視点も説明があり、臨床の考え方の幅が広がりました

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まるで先生と壁打ちしているみたいで、かなり勉強に役立っております。

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推論の方向性が自分が考えてたものと同じだったとしても、より深く考察されているので本当に勉強になります。また、それを以て勉強意欲の向上にも繋がります。

※ 匿名・個人情報を含まない範囲で、いただいた声を掲載しています。

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